Milky way Technology
雲 漢 庵 工房愛媛県
ようこそ Kバイク ABS コントローラ修理工房へ

BMW 旧型Kバイク(K75,K100,K1,K1100)のABSコントローラ(ABS1)のエラーが発生して、リセットしても解決しない,または再発する。そして各種関連部品を交換しても解決しない。 
そのようなコントローラを修理します。
* iABSなどのサーボ式ABSのコントローラは、私は修理できません。

ABS2に関しての情報は、ここをクリックしてください   


今までABSコントローラは修理不可能とされていましたが、私は過去、マイコンを組み込んだコントローラを開発した経験があり、自分のK100も購入時にエラーが出ていてリセットしても回復しなかったため、

コントローラを開いて、最初にいわゆるリバースエンジニアリングで回路図を起こして、
次に普通は読み出せないマイコンの制御プログラムを読み出して、
自分のABSコントローラを修理できたので、困っている皆様のお役にたてればと思い、

最初に海外に向けて英語のホームページを作り、多くの修理を無事に完了して好評なため、
国内のKオーナーさんにご案内することにしました。 ちょっと自慢になりますがドイツのBMディーラーからも多くの修理依頼があります。


下の写真はエラーコードを調べるためにテスタを接続する場所を示しています。
エラーリセットを試した皆さんは、そのときにアースに接続するのと同一端子です。

写真のように青いプラグが付いているなら取り外します。
次にテスターをDC15ボルト以上にセットして+端子を、写真の青プラグを外した後の、真ん中の電極に差し込んで接続します。 テスターのマイナスはバッテリのマイナスかフレームのアースに接続します。

イグニッションをオンしてテスタの針が左に振れる回数を数えます。 その回数がエラーコードになります。
電圧が下がり針が大きく左右に振れるなら修理可能と思われます。
ABS警告灯は点滅しているがテスタが表示する電圧が10ボルト位で一定値(左に振れない)ならコントローラは修理不能なほど悪い状態です。 

それでも内部の電源などが壊れていて、エラーコードを表示できない可能性も多少ありますので、エラー状態で走行するとABS赤ランプなどがずっと点滅したままなら、一度こちらで修理可能か診断することは可能です。

エラーをリセットできても走行するとまたエラーが発生する時や、リセットしてもエラーが無くならない場合は殆どの場合修理できます。
より詳しい情報は下のリンクをクリックして、エラー発生の経過や読み出せるならエラーコードを記述した問い合わせメールを送ってください。
折り返し詳しいご案内をメールで送ります。
. ABSコントローラ修理について

修理概要
1.ECUの送料は往復ともお客様負担です。 返送は着払いになります。
2.ECU発送時には過剰な梱包は不要です。プチプチで巻いて段ボール箱に入れればOKです。
3.下記のリセットなどを試さないで送っていただいても良いですが、リセットしただけでその他の問題がない場合も 2千円の診断料はいただきます。
4.不具合が何個あってもすべてを修理し、将来問題を起こしそうな部品もわかる範囲で交換します。
  代金は何か所修理しても同一です。
  修理品には6か月の保証がつきます。 
  代金はここには書けませんので、詳しくは上のリンクからメールで問い合わせください。

修理ご依頼前の点検
  4バルブ用ECUは、その取り付け姿勢や位置の問題で雨に弱く、内部に雨水が溜まったまま気づかないで エラーが発生した時は手遅れとなっていることがあります。 そのようなECUは修理で一時的には動作しても長期の稼働保証はできません。 4V ECUを送付される前には、4本のネジを取り外し、黒箱の底蓋をはずして白色変化や雨水の溜まりがないことを確認してください。 

回路基板をケースから引き出したり回路部品には触らないでください。
問題ありの基盤例



実はエラーリセットには落とし穴があり以下の条件を満たさないとリセットは失敗してコントローラが不良だという間違った判断になります。
必須条件
1.上記のエラーコード読み出しでエラーを確認しているなら、ABS警告灯赤が点滅しているはずです。
  その状態でハンドル中央にあるABSスイッチを押下すると、警告灯は点滅から連続点灯に変化しますか?
  しないならABSスイッチの不良が疑われます。テスターでスイッチを押下した時の接触抵抗を測ってみてください
  これがほぼゼロオームでないといけません。 ゼロオーム近辺の値でも警告灯が変化しないならコントローラ内部の故障ですので、修理依頼してください。

2017-3-17 追加  ABSスイッチの良否は、それを押下すると警告灯が点滅から点灯に変わるのでOKとは判断できないこともあるのが判明しました。リセットの場合はスイッチを押下している間は、連続でスイッチ端子間は導通している必要があるが、そうはならないという不良もあることが判明したのです。 下記2項のようにアースが完璧でもリセット出来ないなら、ABSスイッチの代替えのトグルスイッチなどを仮に接続して、リセット出来るかを試す価値があるかもしれません。 
追加終わり

2.上記エラーコードを読み出す端子をアースするわけですが、なんせ20年物ですのでここも腐食していて完全なアースが出来ないことがあります。 それを防止するためにテスターをDC 5〜10mAレンジにセットしてこの端子に接続します
テスターの読みが1mA前後なら正しくアースされています。 リセット中にも読みの変動がないか注意しておきます。
変動があるなら端子を磨くなり、電気接点用スプレーを吹いて改善してください。

3.ABSスイッチを押下してリセットを行うときはABS警告灯が20回点滅するまで、ずっと継続する。
  8秒では不十分です。

次にリセット手順ですが以下のように行います。
1.上記の2項のようにテスターを接続する。+が診断端子の2番、−はバッテリーのマイナス端子に接続する。
2.ABSスイッチを押下する
3.イグニッションをオンする
4.上記の3項のように警告灯が20回点滅するまでABSスイッチを押し続ける。またテスターの読みが1mA前後で安定していること。
5.イグニッションをオフする
6.テスターの接続を外す
以上です。

エラー5,6,7は不十分な充電状態や4−5年以上経過した古いバッテリーで発生します。
以下の手順でバッテリーがABS内部診断に耐えうる状態かを調べてください
1.エンジン停止、ヘッドライトON、ブレーキランプON
2.その時のバッテリー端子電圧が10.5V以上あるか?
  なければ充電をするか新品と交換するかが必要でしょう。LONG製でも十分使えます
 コントローラの内部診断では、瞬間的にはスタータ以上の電流を必要とし、
 それを賄えないとエラー5,6,7になります。

その他の注意点
  診断端子の2番は入出力端子で、エラーコードを出力するとともに、
  正常時には状態チェックのために電圧を読み込んでいます。 
  その電圧が7ボルト以下なら異常有の判断でエラーになります。 
  よって通常は電圧計やLEDなどを接続しないでください。

ABSにエラーがあるままで(警告灯が点滅や点灯)乗車していると大変危ないですよ!!
自分は100台以上のABSコントローラを修理しましたが、ユーザーさんの中にはABSエラーを無視して乗車していて、60km/h 以上の速度でブレーキレバーがロックされ、無ブレーキとなり、事故って骨折、2か月入院した人が少なくとも2人います。海外のユーザーさんのことです。

修理する予定がないなら、せめてABSコントローラのコネクタをハーネスに繋がらないように接続を外してください。 事故防止のためです。

2017-3-10 ABSの正常時の挙動 (ECUの良否判定)
修理完了後にエラーが出ているなどと言われるかたがたまにおられますが、それはABSの正しい挙動を忘れたか理解していないためと思われ、ここに正常な挙動を説明します。

注意 診断端子の2番には何も接続しないでください(始動時にLEDなどが接続されていると、それだけでエラーになります)

1.修理後にECUを受け取ったらイグニッションはOFFにして、25Pカプラを確実に、カチと音が聞こえるまで押し込みます、または押し込んだ後 カプラを持ちあげても抜けてこなければOKです

2.イグニッションをONして10秒間待ちます。 この間にいつものようにモジュレータから小さなカシャという音が聞こえればOKです (モジュレータの年式により音がしないのもありますので、日ごろ注意して音が出るかを聞いておくと良いです)
この時点では1個または2個の警告灯は点滅しています

3.エンジンを始動し、前後のブレーキを瞬間動作させ、走りだせば警告灯が2個とも消灯すればエラーは無く、ABSは正常に動作します

4.警告が消灯しない時は、上記のエラーリセットを行った後で
  イグニッションOFFして10秒待ち、ONして10秒待ち、
  前後のブレーキを瞬間動作させ、エンジンは始動しないままバイクを1メートル位 歩く速度で押します

  これで2個の警告灯が消灯するならECUは正常です。 
 しかし上記1〜3を実施しても警告が消えないなら、バッテリーが弱いなどの外部に問題があります。
以上をECUの良否の判断に使ってください。
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ABS2の故障の原因について
これまでに数十台のABS2コントローラのメカと回路部を診断してきましたが、回路部の故障による不具合は割合で全台数に対して数%でした。
一方、メカ部分(回路部以外のすべて)の不良は9割以上です。

その原因は、ABS機構の心臓部といえる小さな可動ピストン、これがモーターの力で引っ張られてブレーキ圧を下げて、車輪がスリップするのを停止させているのですが、バイクが走り始める毎にセルフチェックでピストンも動かされるために、ピストンに付いている小さなOリングが摩耗して、ブレーキフルードが漏れ、メカ部全体に浸透してブレーキ圧を制御するモーター軸に付属する電磁クラッチにも付着して、強力なバネに勝る引っ張り力を発生できなくなり、(それはABSを機能させられなくなると言うこと)セルフチェックでエラーになる訳です。

修理としてはピストンに付いているOリングを交換し(但しBMWは部品を販売していない)、全体に飛散しているフルードを
掃除して(非常に困難)、正常に動作するかの試験が必要です。

どう考えても、修理して再使用するより、オークションなどで走行距離の少ない車体から外された動作品を使用する方が
安全と思います。




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